ペコリーノ・ロマーノDOPの「持続可能な」価値

ペコリーノロマーノDOPは、環境への影響が最も少ないチーズ、 すなわち全面的に環境に配慮して生産されたチーズです。

ペコリーノロマーノDOPの生産は、家畜をほぼ完全に粗放型畜産で、多くの場合は自然放牧によって育成することで、持続可能性と環境への配慮を兼ね備えています。このおかげで、原産地で豊富な質の高い餌をとることができ、その特徴が乳製品にも反映されるのです。

また、生産工場においても、環境面で大きな進歩がありました。環境への影響が少なく、そして再生可能な資源から得られるエネルギー生産への投資を意識した生産体制を整えることにますます敏感になったのです。

ペコリーノロマーノDOPの生産体制の持続可能性は、乳生産からチーズ加工、最終製品の製造に至るまですべての段階で明らかで、常にサプライチェーン全体の環境パフォーマンスの向上、そして原産地証明により消費者に高い品質を保証することを目指しています。

品質と持続可能性への配慮により、ペコリーノロマーノDOPは、国内市場だけでなく国際市場でも非常に競争力のある製品となっています。

今や、競争力のある製品を作ることは、もはや先送りができないほど切迫している、環境の持続可能性という課題への対応と切り離して考えることはできないことがますます明らかになってきています。

ペコリーノロマーノDOPは、DOP保護協会の会長であるジャンニマオッディが述べるように、これらの差し迫った必要性に完璧に応えています。「ペコリーノロマーノDOPの原料となるミルクは、主に広大な牧草地または中規模の牧草地で育てられた羊に由来するものです。牧草地では、羊たちは自分たちの好きな草を選んで自由に餌をとっています」。放牧の利用は、生物多様性と古くから伝わる牧羊技術の保存に大きく貢献しており、大規模流通において高く評価されている特徴的な要素です。

ロックダウンが行われた数ヶ月の間、環境を尊重し、将来的な発展を損なうことなく現在の可能性を保護する製品への意識は、大規模流通においてとてもはっきりと現れました。

DOP製品の需要は爆発的に増加しました。人々は、家でしか食事ができない状況におかれ、確実に高品質な食品を求めるなかで、そのような食品探しとブランドを無意識に結びつけたのです。

ペコリーノロマーノDOP協会が行っている、持続可能性の理想を目指す絶え間ない取り組みは、他の国内パートナーとともにLIFE-MAGIS Made Green in Italy Schemeプロジェクトに参加していることにはっきりと表れています。これは、持続可能な生産と消費のモデルを奨励するため、イタリア環境移行省が推進する、製品のエコロジカルフットプリントを評価伝達するための国家制度です。

風味や管理方法、製造プロセスなどの要素に関する情報を提供することは、

実際に食卓に運ばれるものを決めるために、そしてそれゆえ、すべての人の利益となるよう、農産物加工産業の真の素晴らしさに関する人々の知識を豊かにするために不可欠です。

ヨーロッパの認証マークは、製造を管理する厳格な規定により、品質、信頼性、味の良さを保証するものであり、消費者にとって貴重なツールとなっています。

2021年11月からはようやく、ペコリーノロマーノDOPとその風味のプロモーションをまた対面でも行えるようになりました。

パンデミックとの闘いに伴って私たちが経験している歴史的困難の時期にもかかわらず、ペコリーノロマーノDOPチーズ保護協会は、「Enjoy the taste of life」(www.enjoythetasteoflife.com)のさまざまなイニシアチブを通じて、農産物における品質意味について正確で包括的な情報提供を目指す取り組みを続けています。

このイニシアチブは、ペコリーノロマーノDOPチーズ保護協会によって推進されているもので、欧州連合による資金提供を受けており、ペコリーノロマーノが大使を務めるヨーロッパの農産物を支援するプログラム「Chizu」の一環です。